「食事には気をつけているのに、疲れやすい」
「健康のために食べるものを選んでいるけれど、なんだか元気が出ない」
そんなお悩みはありませんか?
無添加の食品を選ぶ。
農薬をできるだけ避ける。
体に良いといわれるものを取り入れる。
健康を意識して食事を選ぶことは、
決して悪いことではありません。
ただ、
ここで一度考えてみてほしいことがあります。
体に良いものを選ぶことと、
体に必要な栄養を十分に摂れていることは、同じではない
ということです。
例えば、
食べられる食品が限られてしまい、
食事の種類が少なくなっていませんか?
忙しさや食欲のなさから、
おにぎりだけで食事を済ませていませんか?
食事に気をつけているつもりでも、
食事量や栄養のバランスが十分でなければ、
体に必要な栄養素が不足してしまうことがあります。
今回は、
食事と疲れやすさの関係を現代の栄養学から考え、
東洋医学の「脾胃(ひい)」という視点からも掘り下げてみましょう。
1.「食べている」と「必要な栄養が足りている」は違う
食事をしているからといって、
必要な栄養素を十分に摂れているとは限りません。
例えば、
おにぎりだけで食事を済ませた場合。
お米からは、
主にエネルギー源となる炭水化物を摂ることができます。
しかし、それだけでは、
たんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルなどを
十分に摂れないことがあります。
もちろん、おにぎり自体が悪いわけではありません。
忙しいときや食欲がないときに、
おにぎりが食事の助けになることもあります。
気をつけたいのは、
おにぎりだけ、パンだけ、麺類だけといった食事が日常的に続いてしまうことです。
体を動かすためのエネルギーだけでなく、
筋肉や臓器などの材料となるたんぱく質、
体内のさまざまな反応に必要なビタミンやミネラルなども、
食事から摂る必要があります。
食事量が少なかったり、
食品の種類が限られていたりすると、
必要な栄養素が不足し、
疲れやすさなどにつながる可能性があります。
「何を食べているか」だけでなく、
「どんな食品を組み合わせているか」
にも目を向けてみましょう。
2.無添加・無農薬へのこだわりが、食事の幅を狭めていない?
健康のために、
食品の原材料や農薬の使用などを気にかけている方もいらっしゃると思います。
自分が納得できる食品を選ぶことは、
食生活を考えるうえで大切なことです。
ただし、気をつけたいのは、
避ける食品が増えすぎて、食
べられるものが極端に限られてしまうことです。
例えば、
食品添加物が気になり、選べる食品が少なくなっている
無農薬の野菜が手に入らないと、野菜を食べる機会が減ってしまう
食品の安全性が気になり、外食や人との食事が難しくなっている
食べてよいものを考えすぎて、食事量そのものが減っている
このような状態になっていないでしょうか。
もちろん、
無添加や無農薬を選ぶこと自体が問題なのではありません。
大切なのは、
特定の条件にこだわるあまり、
食事全体のバランスや十分な食事量が損なわれていないか
を確認することです。
例えば、
希望する野菜が手に入らないときには、
入手できる野菜を使う。
忙しいときには、
利用しやすい食品も上手に取り入れる。
健康的な食生活は、
理想的な食品だけで成り立つものではありません。
無理なく続けられること、
そして必要な栄養をきちんと摂れることも、
健康を考えるうえで大切な視点です。
3.栄養を摂っていても、体調が整わないことがある?
ここでもうひとつ、
考えておきたいことがあります。
それは、
食事に必要な栄養素が含まれていることと、
体がそれを消化・吸収して利用できることは、
別の問題だということです。
例えば、
食事の内容を整えていても、
胃もたれや下痢などの不調が続いている場合には、食
事の摂取量や消化吸収の状態を確認する必要があります。
また、
疲れやすさには、
栄養不足だけでなく、
睡眠不足、貧血、甲状腺の病気、糖代謝の異常など、
さまざまな原因が考えられます。
「栄養が足りないのかもしれない」
と考えることは大切ですが、
疲れやすいという症状だけで原因を決めつけることはできません。
4.東洋医学では「脾胃」の働きに注目する
東洋医学では、
食べ物を消化し、
体に必要なものを取り出して全身に届ける働きを
「脾胃」
という考え方で捉えます。
脾胃は、
現代医学でいう脾臓や胃そのものと同じ意味ではありません。
飲食物から必要なものを取り出し、
気や血を生み出す源につなげる働きを表す、
東洋医学独自の考え方です。
この働きを
「運化(うんか)」
と呼びます。
運化とは、
飲食物から得られたものを体に必要な形へつなげ、
各所へ運ぶ働きのことです。
東洋医学では、
脾胃の働きが弱くなった状態を
「脾気虚(ひききょ)」
と捉えることがあります。
脾気虚では、
例えば次のような傾向がみられることがあります。
食欲が落ちやすい
食後に疲れやすい
胃もたれしやすい
軟便や下痢になりやすい
疲れやすく、力が入りにくい
ただし、
こうした症状があれば必ず脾気虚だというわけではありません。
東洋医学では、
食欲や便通、冷え、疲れ方など、
複数の特徴を組み合わせて体の状態を考えます。
そして、ここで大切なのは、
脾胃の働きだけで、食事の栄養不足をすべて説明できるわけではない
ということです。
食事そのものに必要な栄養素が不足していれば、
消化吸収の働きが保たれていても、
必要な栄養を十分に摂ることはできません。
反対に、
食事内容を整えていても、
胃腸の不調などがあれば、
食べる量や消化吸収の状態を確認する必要があります。
現代の栄養学と東洋医学は同じ理論ではありませんが、
食事の内容だけでなく、
食欲や胃腸の状態、疲れ方などを総合的に考えることは、
日々の体調を見直す手がかりになります。
5.まずは、食事に「ひとつ足す」ことから
「栄養バランスを整えましょう」
といわれても、毎食きちんと料理をするのは大変ですよね。
忙しい方や食欲が落ちている方にとっては、
食事を完璧にすること自体が負担になることもあります。
そんなときは、
今の食事にひとつ足すところから始めてみましょう。
おにぎりだけなら
卵、豆腐など、
たんぱく質を含む食品を組み合わせてみる。
パンだけなら
卵を加え、
可能なら野菜や果物も取り入れてみる。
麺類だけなら
肉、魚、卵、豆腐などの具材を加え、
野菜も組み合わせてみる。
食事量そのものが少ないなら
一度にたくさん食べることを目指すのではなく、
食べられる量や回数を工夫し、
無理なく摂取できる方法を考える。
これは、
特定の食材を食べれば疲れが取れるという話ではありません。
主食・主菜・副菜などを組み合わせ、
さまざまな食品から必要な栄養素を摂ることを目指すものです。
まとめ|健康のために、食べるものを減らしすぎていませんか?
健康を意識して食品を選ぶことは、
大切なことです。
しかし、
無添加・無農薬などの条件を優先するあまり
食事の幅が狭くなったり、
忙しさからおにぎりだけの食事が続いたりすると、
必要な栄養素が不足する可能性があります。
また、
食事に必要な栄養素が含まれていることと、
体がそれを消化・吸収して利用できることも、
別の問題です。
東洋医学では、
食べ物から気血を生み出す源となる
「脾胃」の働きにも注目します。
大切なのは、
ただ体に良いとされる食品を選ぶことだけではありません。
必要なものを十分に食べられているか。
胃腸の調子はどうか。
食事と体調の両方を見直すことが大切です。
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