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衛気とは?東洋医学で考える肺・潤い・体を守る働き

体を外から守る「衛気」とは? 肺や潤いとの関係

空気が乾燥してくると、

のどがイガイガしたり、

鼻が乾いたり、

咳が出やすくなったりすることはありませんか?

また、

季節の変わり目になると

体調を崩しやすいと感じる方もいるかもしれません。

感染症が気になる季節には、

手洗いや換気などの対策に加えて、

日頃の体調管理も大切です。

東洋医学では、

体を外から守る働きに関わるものとして

「衛気(えき)」

という考え方があります。

今回は、

衛気と肺、

そして体の潤いとの関係について考えてみましょう。

衛気とは、どのようなもの?

東洋医学では、

気にはさまざまな働きがあると考えます。

そのひとつが「衛気」です。

衛気は、

体の表面を巡り、

外からの邪気の侵入を防ぐことや、

汗腺の開閉を調節して

体温を保つことなどに関わるとされています。

例えば、

体を温めることや、

気温の変化に対応することも、

衛気の働きを考えるうえで大切な視点です。

東洋医学では、

こうした働きが十分に保たれているかどうかを、

体質や体調を考える手がかりにします。

ただし、

衛気は現代医学でいう免疫機構そのものではありません。

両者を同じものと考えるのではなく、

それぞれ異なる体系の概念として捉えることが大切です。

なぜ「肺」が関係するのでしょうか?

東洋医学では、

肺には「宣発(せんぱつ)」という働きがあると考えます。

宣発とは、

気や津液などを

体の外側や上部へ行き渡らせる働きです。

この働きは、

衛気を体表に巡らせることとも

関係するとされています。

また、

東洋医学には

「肺は皮毛を主る」

という言葉があります。

皮毛とは、

皮膚や体毛のことです。

つまり、

肺は呼吸だけに関わるものではなく、

体表の状態や外からの刺激に対する防御の考え方にもつながっています。

そのため、

東洋医学では、

風邪をひきやすい、

汗をかきやすい、

少しの気温差で体調を崩しやすい

といった状態を考える際にも、

肺や衛気の働きに目を向けます。

もちろん、

こうした症状だけで衛気の不足と判断できるわけではありません。

ほかの症状や体質も含めて考える必要があります。

体の「潤い」も大切です

秋から冬にかけては、

空気が乾燥しやすくなります。

東洋医学では、

乾燥によって体の潤いが損なわれる状態を

「燥(そう)」

の観点から考えます。

特に肺は乾燥の影響を受けやすい臓とされ、

のどや鼻の乾燥、空咳なども肺との関係から捉えます。

ここで大切なのが、

体の潤いを意味する

「津液(しんえき)」

です。

津液は、

体を潤し、

養う働きに関わる体液を指す

東洋医学の概念です。

肺は津液の巡りにも関わると考えられています。

そのため、

肺の働きと体の潤いは、

別々ではなくつながりの中で捉えられます。

ただし、

乾燥の症状があるからといって、

必ず津液が不足しているとは限りません。

環境による乾燥や、

皮膚・呼吸器の病気など、

さまざまな要因が考えられます。

衛気が不足すると、どのような状態が見られる?

東洋医学では、

衛気の働きが弱い状態を

「衛気虚(えききょ)」

などの観点から考えることがあります。

例えば、

次のような状態です。

  • 疲れやすく、体力が続かない

  • 汗をかきやすい

  • 風に当たると寒さを感じやすい

  • 季節の変わり目に体調を崩しやすい

ただし、

これらは衛気虚だけに特有の症状ではありません。

睡眠不足や栄養状態、

生活環境、

さまざまな病気などでも起こり得ます。

大切なのは、

一つの症状だけで体質を決めつけず、

睡眠や食事、

疲労の程度、

冷えや汗の状態などを含めて、

体全体を見ていくことです。

乾燥する季節に意識したい養生

日頃の生活では、

次のようなことを意識してみましょう。

1.睡眠と休養を確保する

体を健やかに保つためには、

睡眠や休養だけでなく、

心の状態にも目を向けることが大切です。

東洋医学では、

精神的な緊張や感情の変動などによって、

肝の「疏泄(そせつ)」

という働きが乱れることがあると考えます。

疏泄とは、

気血水の巡りを調整し、

心身の働きを円滑に保つ役割です。

この働きが滞ると、

「肝気鬱結(かんきうっけつ)」、

いわゆる肝鬱と呼ばれる状態につながることがあります。

気の巡りの滞りは、

胸やのどのつかえ、

ため息が増える、

気分が晴れない、

イライラしやすいといった状態として

現れることもあります。

さらに、

肝と心は互いに関係し合うと考えられています。

東洋医学でいう心は、

血を主るだけでなく、

精神活動にも関わる臓です。

そのため、

肝の気の巡りが乱れた状態が続くと、

心の働きにも影響し、

落ち着かない、眠りが浅い、寝つきにくい

といった不調につながる場合があります。

もちろん、

睡眠の不調にはさまざまな原因があり、

すべてを肝鬱だけで説明できるわけではありません。

忙しさや緊張が続いているときは、

まず休息を確保し、

気持ちを切り替えられる時間をつくることも大切です。

体を休めることと、

心の緊張をゆるめること。

その両方を意識しながら、

心身のバランスを整えていきましょう。

2.食事を整える

体を維持するために欠かせないのが、

毎日の食事です。

忙しさから食事を抜いたり、

手軽に食べられるものに偏ったりしていませんか?

現代は、

食べ物が豊富にある一方で、

食生活の偏りによって、

たんぱく質やビタミン、ミネラルなど、

体に必要な栄養素が不足することもあります。

大切なのは、

単にお腹を満たすことだけでなく、

体をつくり、働かせるために必要なものを、

日々の食事から取り入れることです。

東洋医学では、

消化吸収に関わる臓器を「脾胃(ひい)」と呼び、

気や血を生み出すうえで重要なものと考えます。

どれだけ体によいものを食べても、

消化吸収する働きが十分でなければ、

その力を活かしにくいと考えるのです。

そこで役立つのが、

東洋医学の食養生のひとつである

「薬膳」

の考え方です。

薬膳では、

食材の栄養だけでなく、

体を温める・冷やすといった性質や、

味、季節、体質との相性なども考慮して食材を選びます。

例えば、

冷えが気になる人と、

ほてりや乾燥が気になる人では、

意識したい食材や食べ方が異なることがあります。

特別な食材や高価な食材をそろえる必要はありません。

まずは、

季節の食材を取り入れ、

自分の体調に合った食べ方を考えてみましょう。

食べることは、体を養うこと。

毎日の食事を見直すことも、

体を健やかに保つための大切な養生です。

3.乾燥対策は「潤すこと」と「巡らせること」

乾燥する季節は、

室内の湿度を適切に保ち、

鼻やのど、皮膚の乾燥を防ぐことが大切です。

東洋医学でも、

体の潤いは重要なテーマです。

例えば、

肺は呼吸を司るだけでなく、

皮毛とも深く関係すると考えられています。

また、

肺と大腸は表裏関係にあるため、

肺・大腸・皮膚を、

それぞれ独立したものではなく、

体全体のつながりの中で捉えます。

体の潤いが不足すると、

鼻やのどの乾燥、乾いた咳、皮膚のかさつき、便が硬くなる

といった状態が見られることがあります。

一方で、

東洋医学では、

体に必要な潤いを保つだけでなく、

水分を適切に運び、利用する働きも大切にします。

ここで関係するのが

「脾」

の働きです。

脾は、

飲食物から得た水分や栄養を

運化する役割を担うと考えられています。

この働きがうまくいかず、

余分な水湿が停滞すると、

むくみや体の重だるさなどにつながると捉えます。

つまり、

乾燥するからといって、

ただ水分を増やせばよいわけではありません。

必要な潤いを保つことと、

取り入れた水分を体内で適切に巡らせること。

その両方を考えるのが、

東洋医学の特徴です。

日常生活では、

喉の渇きや体調に合わせて水分を補給し、

室内の湿度にも気を配りましょう。

一度に大量の水を飲むのではなく、

無理のない範囲でこまめに補給することも一つの方法です。

乾燥による不調が続く場合は、

環境だけでなく、

食事や睡眠、体質なども含めて見直してみましょう。

体を守る働きを、体全体から考える

東洋医学では、

衛気・肺・津液は、

それぞれ独立したものではなく、

互いに関係しながら体の状態を支えるもの

として捉えられています。

乾燥しやすい、

疲れやすい、

季節の変わり目に体調を崩しやすい。

そうした不調があるときは、

症状だけを見るのではなく、

睡眠や食事、冷え、汗のかき方なども含めて

振り返ってみることが大切です。

虎徹堂薬局では、

東洋医学の考え方をもとに、

一人ひとりの体質や日々の状態を確認しながら

漢方相談を行っています。

毎年同じ季節に体調を崩しやすい方や、

ご自身の体質について知りたい方は、

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