「風邪をひいたら、まず葛根湯!」
そう思っている方、多いかもしれません。
たしかに葛根湯は、初期の風邪に使われる代表的な漢方薬の一つですが、すべての風邪に葛根湯が効くわけではありません。
実は、風邪と一口に言っても、その症状や体質によって適した処方はまったく違うのです。
正しい漢方薬を選ばなければ、効果がないばかりか、かえって症状を悪化させてしまうことも。
今回は、風邪に使われる漢方薬の基本と、選び方のポイントを詳しくお伝えします。
風邪に使う基本の漢方薬は「麻黄湯」と「桂枝湯」
風邪の漢方といえば、まず基本となるのがこの2つ。
麻黄湯(まおうとう)
桂枝湯(けいしとう)
この2つをどう使い分けるかが、とても大事なポイントです。
鍵になるのは、「実証」か「虚証」かの見極め。
実証タイプの風邪には「麻黄湯」
「実証」とは、体力があり、病気に対して強く抵抗できるタイプのこと。
例えばこんな症状があれば、麻黄湯が適しています。
悪寒が強く、汗が出ない
発熱しているが、寒気が勝る
体に力があり、がっちりした体格
ふるえるような寒さを感じる
麻黄湯は、発汗を促して外から入った邪気を追い出すお薬。
風邪の初期で、寒気が強く、汗が出ていないときに使うと効果的です。
虚証タイプの風邪には「桂枝湯」
「虚証」とは、体力が弱く、病気に対して防御力が低いタイプ。
こんな症状があれば、桂枝湯が向いています。
微熱があり、自然に汗が出る
風に当たると症状が悪化する
身体がだるく、エネルギーがない
頭痛や関節の痛みがじわっと広がる
桂枝湯は、体力が落ちている人の「防衛力」を高めながら、やさしく邪気を追い払う処方。
体が虚弱な方や、お子さま、高齢者の風邪にもよく使われます。
「葛根湯」が向いている風邪とは?
では、「風邪=葛根湯」と言われるほど有名な葛根湯は、どんなときに使うのが正解なのでしょうか?
葛根湯は、こんな風邪のときに向いています:
首すじから背中にかけてコリがある
発熱と悪寒があり、汗は出ていない
体力は中程度以上ある
肩や背中がバリバリに固まった感じがする
つまり、風邪のひき始めで「肩がガチガチ」「寒気があるけど汗は出ていない」ときにぴったりなんです。
また、意外かもしれませんが、胃腸が弱く、下痢をしやすい方に使うケースもあります。
これは、葛根湯が「表の寒さ(風寒)」だけでなく、「裏の虚(胃腸虚弱)」にも対応できる処方だから。
身体の中からあたため、胃腸の働きを高めながら風邪を追い払うという使い方です。
ただし、体力が弱っているときや、すでに汗が出ているときに葛根湯を飲むと、逆効果になる場合もあるので要注意です!
まとめ|症状と体質を見極めた漢方選びを!
風邪をひいたとき、有名な漢方薬に頼りたくなる気持ちはよくわかります。
ですが、「今の症状」と「身体の状態」に合った処方を選ぶことがとても大切です。
間違った漢方を飲むと、思わぬ副作用や回復の遅れを招くことも。
だからこそ――
💬 迷ったときは、漢方の専門家に相談を!
虎徹堂薬局では、あなたの体質とそのときの状態を丁寧に見極め、本当に今のあなたに合った処方をご提案しています。
「なんとなく風邪っぽいけど、何を飲んでいいかわからない」
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